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グレイブライン ある外国人労働者の物語 中編

それからしばらくの後、ハネシバとミクルマはニイヤマサキの死因について調査をする為、住んでいたマンションへ向かう。

 最も、復讐に燃えるハネシバが単身向かっただけなのだが。
マンションでは警察が非常線を張って立ち入り禁止区域となっていた。
 今回この事件は表だって公開されておらず、オーナーが独自のルートで知った事件という事もあり、第一、我々は探偵でもない外部者である。よって警察に事情を話して現場に入る事もできなかった。

 電脳を用いて調査している警察の機材に入り込んで調査内容を盗み見るか?
 それとも警備に当たっている警官の目を盗む。あるいは気絶していただいて現場に入って直接資料を得るか。
 はたまた、自分のコネで警察上層部に掛け合って資料を見させてもらうか…。

ハネシバはどうしようかと悩んでいたが、「よぉ、手こずっているようだな」颯爽と現れたお目付け役のミクルマの提案により電脳ハックによる警察の機材に入り込んで調査内容を盗み見る案に決定した。


ミクルマの電脳技術により見事警察の防犯システムを潜り抜け、お目当ての情報を得る事ができた。

それによればニイヤマサキの死体は、ない。 
心臓のみが発見されるという奇奇怪怪な事態となっていた。
 また、この事件はどうやら『葉』の部分。つまり元を辿れば大きな事件の氷山の一角という事がわかった。
この事件を大きく報道すれば大本の黒幕が逃げてしまうので、厳戒態勢であるとも分かった。

ここまでの情報を引き出した時、誤魔化した筈のシステムに掛かってしまい、にわかに調査をしている警察達が慌しく騒ぎ出した。

「バレたか!ズラかるぞ!」
誰が言うことなく、二人は電脳を切り上げてそそくさと逃走を図った。

幸い、警察もハッキングを受けて慌てて逆探知をしだしただけであったので包囲網が完成する前に脱出に成功できた。
ハッキングで得た情報はすぐさま電脳メールにて他のメンバーに伝えられた。



所属事務所ファンファーレ 電脳情報室
 大それた名称であるが、要はパソコン室のような場所にて、ベンハミンは通信をしていた。

 「あ、もしもしキャサり~ん?」
ベンハミンはお得意の口調で電話相手の名を呼ぶ。
 <あ、ベンハミンさんじゃないですか>
出た相手は彼が普段使う運送会社…もとい武器販売会社であった。
 「今さ、日本のファンファーレっていう所に所属してグレイブの戦いごっこやってるんだけどさぁ。
 なんでも次戦う対戦相手がさぁ、裏で武器の密輸してるらしいんだけどさ。なんか分かるかな?」
 <んー、対戦相手の名前って分かりますかね?>
 「確かケルベロスって名前だったけな…あ、そうだそうだ。ケルベロスだ。うんケルベロスだ」
ベンハミンは貰った書類を再確認して言う。
 <ちょっと待っててください…。今現在把握している武器の密輸関係の書類があるんですけど、取引元と先が書かれてるデータなんですけど、今特定できないんですよ。そっちの方でやって欲しいんですけど、やりますかね?>
 「あー。適当に送って頂戴
 不用意にも、ベンハミンはそう言ってしまい、電話先のオペレーターもその言葉を受けてポチポチと作業を始める。
しばらくすると、相当数のデータが彼の電脳空間に流れ込む。

 「うおぉぉ」
想像を超えるデータ量に、ただひたすら戸惑うベンハミン。
 そのような情報の山から対戦相手先のデータを見つける事は、電脳スキルの低い彼には出来ない芸当であった。


 「手こずっているようだな、手を貸そう」
と、どこからともなくアルスハイル乱入してきて
 「これじゃね?」
とデータの文字を指差す。確かにそこには対戦相手のケルベロスの文字が。

 「うおおお、あった!アルスハイルすげぇ!助かったぜ!」
ベンハミンは露骨に喜び、アルスハイルの救援を心から賞賛した。

 発見したデータによると、対戦相手のケルベロス上海工業という企業から大型の武器を密輸しているという事がわかった。

 「シャンハイ工業?」
ベンハミンは聞きなれない企業名に首をかしげる。
 <中国の企業ですね。昔は結構大手の企業だったけど、今中国は分裂状態でその煽りを受けて業績がかなり危ない所まで落ちてて、密輸をしてるってのがもっぱらの噂だったけど、どうやら噂は本当だったみたいですね>

ほうほうと頷くベンハミン。しかし今の問題はそこではない。
 「あー。キャサりん?これ、取引の内容物まで分かるかな?」
 <今の所、わかりませんね。詳しく調べないと…>
 「悪いんだけどさ…調べて欲しいんだけど…できるかな?」
 <ええ、まぁ…できない事はありませんけど…分かる範囲までなら調べますよ>
電話相手がそんな風に言うと、ベンハミンは笑みを浮かべる。
 「いやぁ悪いネェ…」
 <それじゃ、ここらへんで…>
通信を切ろうとする相手に、ベンハミンは口を開く。

 「あっ、ちょっと待って。今さ。所属事務所に入る予定だったアイドルちゃんが殺されるっていう事件が起きて、別の人が調べてるんだけどさ。そのアイドル、心臓しか見つかってないんだってさ」

 <え、それは、なんとも。猟奇的ですねぇ>
急に呼び止められて話をしたかと思うとまさかの殺人事件の詳細。これには馴れ合っていたオペレータの子も戸惑う。
 「それでさ、こーゆー殺し方になんか覚えとかないかな?」
 <いや流石に心臓だけの殺人事件は身近にありませんよ>
 「いやいや、そーゆーのじゃなくてさぁ。ヤクザとかマフィアで臓器売買の仕方とかあるじゃん?
心臓だけ残して後は売る。とかさ。色々あるんじゃないかなぁ~と思ってさ」

 <それは…そうですね…あるかも知れませんね。それも調べておきますか?>
 「ああ、頼むよ」

と、少々強引に頼みごとを一通りすると、通信を終えた。

 「さて…仕事終わったから飯でも食べにいくか」
 「そうだな」

ベンハミンはふうと息をすると、おごるぜと言わんばかりに隣のアルスハイルに笑顔で言う。




所属事務所ファンファーレ 社長室。
 ひょっとしたらオーナー室かも知れないが、まぁどっちも同じだから気にしない。

 「口頭で報告を頼もうか」
既に電脳メールでオーナーを含む主要メンバーに先ほど調べた情報を送っていたが、ジェーン・タカムラは葉巻を曇らせながら言う。
 「ニイヤマ・サキですが、心臓のみの死体だけで生存している可能性は低いと思われます」
ハネシバが神妙な顔で伝える。
 「さらにこの事件は末端の部分…つまり大元の大きな事件があり、警察はそれを追う為に厳戒態勢を敷いていると考えるべきでしょう」
 「ふぅむ、なるほどな…。分かった。
ベンハミン達からも連絡があったが、現在ベンハミンの武器商人の所に連絡して色々と調査させているとの事だ彼らは現在待機を命じている。
君らも進展があるまで待機。ハネシバは少し話があるがミクルマは下がって連絡があるまで自由でいい」
オーナーがそう穏やかで静かに言うと、ミクルマは「家に帰って寝てます」と言って退室した。


 「ニイヤマサキちゃん。確実に死んじゃったかな?」
退室を確認すると、オーナーは葉巻をやめてハネシバごにょごにょ会話の姿勢に入った。
 「ええ。心臓しかないので、多分死んだんじゃないかと…」
 会社の実情を知っているハネシバも、ごにょごにょ会話の姿勢をとる。
 「なんとか、生きていてアイドルとして売り出せないかな…」
オーナーは藁をも掴む気持ちで言う。それほど経営が苦しいのだ。
 「ちょっと無理かと…。生きていても大規模な路線の変更をする必要があるかと」
 「やっぱ無理かな…」
 「ええ…鋼鉄の歌姫みたいな。なにせ心臓がない状態ですからね。どんな改造を施されているか、不明です…」
 「なにそれかっこいい。いいね、それ!」
 「え、まじですか?」

そんなしょうもない会話をしている時、ミクルマの身に迫り来る危機があった…!


ファンファーレ管理の共同集合住居。ミクルマの部屋。

所属事務所ファンファーレが管理している共同集合住居、つまりマンション。
 ファンファーレに勤めている従業員の約8割が、このようなマンションに住んでいる。家賃は取るものの他の住人達より安めに設定されている。
 キッチンはもちろんテレビ・エアコン・冷蔵庫は最初から着いているしトイレと風呂は別々に着いている。防犯システムも一般的なものよりワンランク高いザ・中流階級ちょっと上といった感じのマンションである。

そんなザ・中流階級ちょっと上マンションの一室に居を構えるはミクルマ
今彼は先ほど宣言した通り家で寝ていた。
<緊急事態発生、緊急事態発生>
だが眠りを妨げるかのようにサイレンが鳴り響く。
 「んが?」
何が起こったかまだわからないミクルマが起きる。
<緊急セキュリティシステム起動。防犯シャッターを起動します>
そう機械音が鳴り響くと、ゴゴッという効果音と共に窓に頑丈そうなシャッターが閉まっていく。
これは、いつ何時起こるかも不明な暴動や災害に備えて頑丈なシャッターで住居人を守るというシステムなのだが、今現在ミクルマの部屋で起こっている状況を見ると閉じ込められているようにしか見えない。


「な、何が起こっているんだ!ま、マニュアル…」
その言葉どおり、何が起こっているのか不明なミクルマは、ただひたすらうろたえるばかり。
リビングの棚の上にあるマニュアル書を読み、これが防犯システムの一環だと理解した頃には、既に玄関もロックされ外のベランダへ通じる窓もシャッターが閉まっていた。

 「何が起きた?」
これが防犯システムだという事は理解できた。さて、一体どうしてこうなった?
 「ん?」
ふと視線を中央のテーブルに目線を合わせる。
 現在ミクルマはリビングの棚の側でマニュアルを呼んでいたが、中央のテーブルの上に明らかに怪しい物体がある事にでも気付いてしまったのである。





「え…これ…爆弾…」


完全な密室。そこにはミクルマ一人デジタル時計で動く時限爆弾が存在していた…!!
ミクルマの運命は如何に!?次回へ続く!
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テーマ : 創作シナリオ
ジャンル : 小説・文学

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タイトル
2011年2月16日導入
プロフィール

テト式

Author:テト式
24歳。がくせ…介護職員です。
東方厨だと思ったら艦これに裏切ったけど小鈴ちゃんが可愛いから那珂ちゃんのアイドルやめます。
艦これはやってません(迫真

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