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グレイブライン ある外国人労働者の物語 前半

一ヶ月前、国連からの依頼で日本という国の州の一つである九州府に向かってくれとの依頼があった。
 内容は、民間人を身分を隠し、新設する予定のグレイブチームに参加し、九州府の内情を見て来いとの事である。と媒体メールには書かれていた。
電脳化が進むこのご時世、紙の媒体は外からのハッキングがされない最強の通信手段として君臨している。

近年、国連はその規模を拡大し活動が活発化が誰の目からも確認されるようになっている。
 確かに、俺の知り合いには国連で働く奴を知っているし、母国メキシコじゃ知らない奴はカタギぐらいしかいないと自負もある。
 が、こんなチンピラ上りのグレイブ乗りが天下の国連の目に留まるのだろうか?

何か裏があるんじゃないかと、気が気でない。
しかも自分が国連からの使い走り。という身分を隠してまでも、だ。
 だが、これを蹴ったら『俺の行き方』に反する。

「あんまり好きじゃないんだよね…こういう身分を偽るのは…」

そう、俺はそういう生き方はできない。だがこの仕事は…。

「ま、やるんなら本気でやろうか!」
になる。ま、せいぜい死なないように好きにやらせてもらいますよ、国連さん。




現在
場所 九州府 府都のビル街の一角にある所属事務所『ファンファーレ』本社の社長室。
「全員いるな?」
オーナーのジェーン・タカムラは窓際に机を構え、いかにも威厳たっぷりに目の前の俺らに向ける。

「社長、お呼びでしょうか」
チームリーダーの日本人のハネシバ・シュウが尋ねている。
リーダーが前に出て俺の他に2人が後ろに整列している。

その二人はミクルマ・ジンイチという日本人と、アルスハイルという奴がいる。
3人の説明は…まぁあまり覚えていないが、とにかくハネシバとミクルマ堅気(健全な社会人)である。
 確かハネシバは前からここに勤めていたが、チームが全滅(事故で戦線離脱や引き抜かれたり、普通に辞めたりとかで)して、ラストワン状態であったがそれでも辞めずに今日までチームを存続させている。
ミクルマも、前務めていたチームを方向性の問題で喧嘩して辞めてこっちに来たと言っている。

正直、二人とも俺とは別次元の堅気な存在である。グレイブの腕もそこそこあり、無害な存在であるのは明らかではある。

一番ヤバイのはアルスハイルとかいう奴である。全身機械で改造されて、ここに来た理由が「傭兵をしていて、戦いを求めてここに来た」とだけ言っている。
 目を見たが、戦場じゃ相手にしたくないと俺の本能が呟いている。典型的な死に場を求めている死にたがり屋である。それもかなり厄介な強い死にたがり屋である

 まぁ今はこうやって同じ会社の会社員として働いているんだ。味方で良かったと思っている。

「…聞いているのか?ベンハミン君」
オーナーが葉巻を曇らせて尋ねている。やばい、明らかにオーナーは不機嫌だ。
「ええ、聞いてますよ、オーナー殿」
俺はそう言う。
 結構うる覚えだが…確か…。
 「この事務所に来る予定だったアイドルの女の子が死んじゃった…って事でしょう?」
そう、そういえばそんな事を、俺が三人についての評価をしてる間に言っていたな。うんそうだ。
 「そうだ、その新人アイドルの名前はニイヤマ・サキ。君達もRV(電脳テレビ的な何か)で見ているだろう?黒髪ロングで泣きボクロがチャームポイントの可愛い子路線のあのニイヤマ・サキちゃんだ。やっとの思いでヘッドハンティングに成功したのだ。
 彼女はあのアイドル養成所の皮を被った軍隊養成所海兵隊式訓練に耐え、グレイブ操縦や座学でも優秀な成績を収め、メディアにも露出し人気はいまも上昇中。まさに期待の新人!…だった!

 「か、過去形…!?」
そう嘆くように言うのはリーダーのハネシバ。

「今日、彼女が死んだという事が判明した」
オーナーは今にも葉巻を折りそうなくらい、悔しそうな顔をしている。

「なん…だと…?」
その発言に、誰もがそう呟いた。

ニイヤマ・サキ。確かに彼女の名は聞いている。そういえばこの前、レストランに閉じ込めてベスト7まで当てる飽食地獄の番組『かえりまセブン』に出ていたな…確か。

「しかも、そのアイドル養成所は一切の情報を未公開。警察はもちろん、メディアすら騒ぎ立てない。これは幾らなんでも裏があり過ぎる。いや、そもそも、我が社の経営を向上と健全化させると期待していたのだが、そう思っていた結果がご覧の有様だ!」
有様だ!と言われても、目の前にはオーナーが猛烈に悔しそうにしている姿しか映ってない。

 「ちくしょう!サキちゃん死んじゃったのか!俺ファンだったのにぃぃぃぃ!うわああああん!」
…プラス、男泣きしているハネシバの姿があった。

 「…ともかく、だ。このまま引き下がっては私の腹が納まらん。警察や養成所が秘密を守るというなら、我々で解明し、この事件を引き起こした犯人が存在するなら<相応の報い>を受けさせる必要がある」
ハネシバの愚体を目の辺りにし、少し怒りも収まった様子のオーナーは言う。
 ああ、なるほどね…相応の報いをする必要があるのね。

 「ええ!オーナー!私のサキちゃんを殺した犯人をなんとしてでも捜して報いを受けさせるべきです!」
ハネシバはグッと拳を握って答える。

「…自殺…という点はないのか?」
ボソッと静かに口を開くアルスハイル。
 「その線もあるが、警察や養成所も情報を隠す時点でこれはもはやなんらかの事件であると、私は見ているし、君らも分かるだろう。…リーダーのハネシバに話がある。他は後で呼ぶから退出してくれ」
オーナーは静かにそう言うと葉巻を吹かした。

オーナーの要望で、俺たちはとりあえず外へ退出する事にする。




 「さて…ハネシバ君、ニイヤマ・サキの事件の捜査なんだが…」
オーナーは全員が出るのを確認すると口を開く。
 「おまかせください!犯人は必ず見つけてそれ相応の報いは受けさせます!」
やる気まんまんに答えるハネシバ。
 「あーうん。それはそれで大いによろしい。ガンガンやっておしまい」
テンションの高さに少し戸惑うジェーン・タカムラは、投げるように応答する。
 「だが、我が社の経営状態は芳しくない…。前のチームも何かと不慮の事故色々な問題で離脱する者が多く、求人募集に新人募集の広告が外せずにいる…
 タカムラオーナーは厳しい表情になる。
 「このままではブラック企業になってしまいます…もう何回会社の名前が変わった事か…」
ハネシバは呼応するように言う。 
 「片足入っているような状況だからな…我が社は…
ふー、と重たいため息をつくオーナー。
 「で、次の試合の対戦相手なんだがな。来週予定されているんだが」
 「…何か問題が?」
ハネシバは唾を飲み込み、尋ねる。
 「うむ、その対戦チームなんだが…。人のこと言えないけどかなりキナ臭いんだ
 「な、なんですと…」
「なんでも、裏で武器の密輸をしているとか、悪い噂が多い。妨害工作も尋常じゃない…
だが、我々は負ける訳にはいかない。なんとしてでも勝たなければならない」
 「ええ、そうですね…これ以上、会社の名前が変更する訳には…」

二人はそうやって深刻そうな顔をして深刻な話をしていた。
 すると、そこに思わぬ乱入者が飛び込んでくる。

 「聞いてたよ!オーナー!」

そこに、チームのキナ臭さの一人であるベンハミンが飛び込んでくる。

 「おおう!?」
 「おま、退室しろと言った筈だ!」
いきなりの乱入者に戸惑う二人。
 「いやぁ、すみません。ちょっと立ち聞きをね!」
聞く気マックスじゃねぇか、とツッコミが入りそうな事を言い、二人に近づく。

 「それよりオーナー。今度の対戦相手のチーム。裏で武器の取引してるって話でしょ?
 それなら俺のいつも使ってる御用達の武器商人に聞いて探りを入れましょうか? 」
思わぬ申し出に、オーナーの顔は明るくなる。
 「ついでにそのチームも潰しておきましょうか?」
その表情をみるや否や、即座に次の言葉を繋げるベンハミン。
 「いやいや。これ以上過激な事はしないでくれ、バンハミン君」
過激な言葉を発するベンハミンに戸惑うオーナー。
 「ハハッ!大丈夫です、来週の試合で、スポーツマンシップ溢れるやり方で潰すので大丈夫ですよ!」
冗談だよ、といわんばかりの笑いを飛ばすベンヘミン。
 「うむ、ぜひそうしてくれ」
そうジェーンオーナーは言うと、ハネシバも全力で首を振って頷く。

 「さて…では、ベンハミン君には、相手チームの調査を頼む。ハネシバはニイヤマサキの調査の方を」
「「了解しました」」
一息ついて、オーナーは二人にそう命令をした。
命令を受けると、二人は部屋を出て行った。


 「ベンハミン、キャラ濃すぎ…」
扉が閉まるのを確認すると、オーナーのジェーン・タカムラはそううなだれるように呟く。

 ちなみに、ニイヤマ・サキのファンであったハネシバの反応を見て、先ほどの説明時からしきりにミクルマ・ジンイチアイコンタクトで「こいつだけじゃ駄目だ」という会話をしていた為、この後すぐにミクルマが呼ばれ、ハネシバと共にニイヤマ・サキの事件を追う事を申し付けたとさ。



 「あーアルスハイル君。来てくれたか」
多少へきへきした顔をしているオーナーが口を開く。
 「オーナー。お呼びでしょうか」
 「うん、ちょっとさ…給料の話なんだが…」
申し訳なさそうにオーナーは口を開く。
 「君だけ給料が高いんだが…どうにかならないだろうか?確かに君の取り分は皆と同じなんだが弾薬費の分で大分多くなっているんだ。我が社としても経営が芳しくなく状況で、そうでなくても皆の不満が出つつある…どうにかならないかな…?」
 「しかしオーナー。自分はミサイル特化機体なので、弾薬費が高くなるのは仕方ないんです」
申し訳なさそうに言うオーナーに対して平然と答えるアルスハイル。
 「そうか…ミサイルか…ミサイルなら仕方ない…」
運命のダイスロールのミスでオーナーは静かにうな垂れた。
 「で、話は続くんだがな」
しかし、それも一瞬、さらに話は続く。

 「次回戦う対戦相手なんだがな、どうも裏でミサイルの裏取引をしているらしいんだ、今ベンハミン君が調べているんだが、君も君でミサイル関係の業者から調べてくれないだろうか?」
 「ええ、分かりました」
アルスハイルは静かに答えた。




 「お呼びでしょうか、オーナー」
最後にベンハミンが呼ばれていた。オーナーの呼びつけと聞いてかしこまっている。
 「あーベンハミン君。君って日本に来て何ヶ月だっけ?」
ジェーンオーナーはかつてない程に友好的な態度であった。
 「えー…と。まだ一ヶ月も経ってません
ベンハミンはオーナーの口から何が飛び出すか気が気でなかった。
 「そうか、このチームメンバーの連中はどうだ?君の視点で聞かせて欲しい」
まぁそうかしこまらずに、と言った口調で話すオーナー。
 「ええ、まぁ。私から見ますとやはりスポーツチームですね。いいチームだと思いますよ。一人を除けばですが」
あぁ単に世間話したいだけか、と悟るといつもの口調で話し出すベンハミン。

 「一人…?」
オーナーが不思議そうに言う。
 「ええ、あのアルスハイルとかいう傭兵ですよ。あれは結構厄介な奴ですよ!」
元気に答えるベンハミン。
 「(厄介なのはお前もだよ…)」
内心でそうぼやくオーナー。
 「あー。うん。で、先ほどの話なんだがな。どうやら相手チームは裏でミサイルを取引しているらしいんだ。現在そのアルスハイル君と協力して調査をして欲しい」
 了解しました、とベンハミンは敬礼をして部屋を出て行った。


とりあえず後半へ続く。
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テーマ : 創作シナリオ
ジャンル : 小説・文学

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タイトル
2011年2月16日導入
プロフィール

テト式

Author:テト式
24歳。がくせ…介護職員です。
東方厨だと思ったら艦これに裏切ったけど小鈴ちゃんが可愛いから那珂ちゃんのアイドルやめます。
艦これはやってません(迫真

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