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戦国史まとめ的な案内表示

戦国史のプレイレビュー的な奴が10に達し、まだまだ続きますが、記念すべき①を見るにはいくらかダルイ事が判明し、これでは初見殺しにも程があるという事で、救済として案内表示をさせていただきます。

更新日が2037年になってますが、これは案内表示が沈まない処置なのであしからず。

別に未来へ渡航してうpしてる訳じゃないよ。

とある三妖精の奮闘戦記

一応の説明。
・これはフリーゲーム戦国史FEのプレイレビュー(すでにクリア済みの為、リプレイ?)です。
・幻想郷大騒動 ~ Petite Yukarin Panic!!というシナリオで、三妖精プレイです。
・シナリオ事態に二次設定が組み込まれているので、二次創作特有の設定に注意してください。
・シナリオの都合上、東方以外の作品のキャラも組み込まれているので注意してください。
・テト式がその東方以外の作品をあまり知らないので、性格・口調がおかしい可能性大です。
・テト式の趣味の関係で一部のキャラがピックアップ(優遇)されている可能性があります。つまりるなちゃかわいいです(^p^)
・クリックしても思った場所へ飛ばない謎の現象が起こるので、その場合はマウスホイールを使用して下までかっ飛ばしてください。
大変申し訳ありませんが、データの方を削除してしまい、追記はありません。大変申し訳ございませんでした。

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テーマ : ブックレビュー
ジャンル : 本・雑誌

戦国史 幻想郷大騒動~三妖精奮闘戦記~⑬

戦国史 幻想郷大騒動~三妖精奮闘戦記~⑬

第13話 裏庭の戦争※ちょっと修正しました

2020年2月。

最強妖精団の進撃は留まる事をしらず、地底への道を逆走する形で進撃を開始した頃。
地底とは別の地方において、まったく別の戦いが切って落とされていた。

妖魔の領域 

「ふむ、戦況は私達に有利なようね」
スターサファイアが机の上にある妖魔の領域の地図を見ながら言う。
「敵の倍以上の旺気と兵力、勝てない要素はないと言えるでしょう」
その場にいた稗田阿求がそう言う。
 
 秋家領地の古びた城塞にて、最強妖精団の顔見知り+顔見知りでない者たちと、妖精団臣属の勢力らの主な者達が一同に介するこの状況。
2020年2月妖怪の領域前線






 元はというと、左遷という二文字となる。
妖精団が掲げる全妖精の地位向上とかいう本人達もいまいち分かってない主義の下、能力値オール1でも雇用する結果が生み出した状況が、資金不足という実情であった。
新ルール適用となるこの異変において、スペルカードは唯一の遠距離兵器と化し、その製作費用は大分掛かる。そうでなくとも大量の毛玉保有は嫌でも大量出費を強いらざるを得ない。
2020年勢力一覧図



「そのしわ寄せで…我々はこんな生活(スペルカード100枚だけの生活)を強いられているんだ!!」
と、この前の文々。新聞の清く正しい天狗の新聞記者のインタビューに自称食べ盛りと言われる太公望が答えていた。

 その言葉どおり、妖精団は毛玉全保有を23万と大量保有し、これは二位の風見家の11万を遥かに超える数なのであるが、スペルカードの保有数では7千3百枚と、風見家は1万4千枚とあるように大分差が開いている。
 これは、ヤンやパチュリーの指示により、遠距離攻撃より消耗品である毛玉達の補充に全力を注いでいるという事であるが、その結果が現在の資金不足を招いているのはまさに戦争における皮肉だとヤン・ウェンリーは言っていた。

 そんなこんなで、最前線を攻めるのは幹部が20人のみ。という新ルールから照らすと、そんなに前線へ出る幹部や構成員はいらないのである。
確かに多方面における前線確保の為には人材は必要不可欠なのだが、妖精団の場合は極力多方面における戦闘を避けている為、戦う勢力は主に1つなので、30人40人程の戦力があればそれで事足りるのである
 また紅魔館完全占領や有名勢力の亡命者、地霊殿や鬼達の勢力の併合など、幻想郷の著名人らの陣営参加において『その他大勢』の活躍の場が少なくなってきているのも今回の要因でもある。

 そんなこんなで活躍の場を追われ、かといって新ルールの影響で兵力を引き剥がすという事もできずに常に財政を圧迫する『その他大勢』の皆様方は、どこか邪魔にならない領地を分割するという形でできた軍団勢力として左遷させる事となった。

 だが、そんな彼らに転機が訪れた。
 彼らに与えられた領地の割と近くにある妖怪連合と名乗る勢力が存在し、その勢力は妖精団と従属の関係を取り、同盟国ともいえる存在であった。
 だが、マーガロイド家を従属させた現在。その存在価値は皆無と化していた。
 勢力拡大を望む当主サニーミルク当主をその気にさせた一部の知恵達者(主にパチュリー)陰謀において、その存在を消すという残酷な決断を、妖精団上層部は決定した。
 だがこの残酷さはある意味まだまともな方で、一部の知恵達者(主にレミリアあたり)臣属した秋家を攻め滅ぼすなどの鬼畜じみた残酷な手段をも考えていたりもする。

 だが、結局は新しく従属したマーガロイド家にはもっと(壁になって)がんばって欲しいという事で分割条約を結んで、マーガロイド家と共に妖怪連合を攻める事が決定した。

既に情報操作は完了済みで、かの妖怪連合に同情的な目線はあるものの、どことも不戦同盟をしていない、これはつまりどこにも亡命はできないという事を意味し、すなわちそれは人員ともども妖精団に併合されるという事を意味していた。

ま さ に 鬼 畜 の 所 業 

 と、まぁ上記の事情もあり、名目上、裏切りモノの妖怪連合を消すために左遷組が活躍している。
そんな左遷組+その他の傘下勢力が一同に顔を見合わせているのが今の状況である。



「それにしても、敵は7千、こちらは分散部隊ですら1万5千。本隊は2万。予備部隊も1万5千とありますからね。それに加えてマーガロイド家による同時侵略…勝てない要素はないとはいえ、大分敵がかわいそうだね」
秋穣子がそういってまだ見ぬ敵の顔を思い浮かべて哀れむ。

「そうは言っても、排除せねばならん、平穏の為に」
そうどこか機械的に言う元秘密歴史結社の構成員の乙
「…え?」
そのような反応に、穣子は戸惑う。
「うむ、奴らを倒さねばならん、我が勢力の平穏のためにも」
当然だ、といわんばかりに言うどこぞの御大将と化した秋静葉。
 「全ては平穏の為に。我ら後方兵站も全力を尽くします」
聖と交流を始めてから、どうも付き物が落ちたように業務に打ち込むようになったヨブ・トリューニヒト。

 「「「世に平穏があらんことを」」」

「……え…?えっ?」
突然の三人による狂気じみた合唱の為、混乱状態に陥る穣子。
「ど、どうなってるの…」
戸惑うしかない穣子。その姿は他人から見れば本当にほほえましいレベルに達していた。

「彼らはナニカされたようだ…」
そう戸惑う彼女に、助け舟を出す放蕩にして放浪の自称旅芸人リュート。
 「だ、誰に?…いや、宗教的なミツバチの女王だったら思い当たる節はあるけどさ!」
そう、彼女には思い当たる節はあった。特にヨブ・トリューニヒトの経歴を考えれば一発で分かる。

 「それはどうかな。彼らの持つ混沌因子が発症させた病状なのかも知れないよ」
「なにその中二病的なナニカ」


「まぁぶっちゃっけ。作者の気まぐれネタだから」
「本当にぶっちゃっけちゃったよ!この人!」

そんな愉快な会話が繰り広がる中…。


大妖精は一人妖怪の山の方向…ではなく、ちょっと外れた所にある春の領域に視線を合わせていた。
2020年2月だいたいここ


 どうも向こうから、邪悪な気が渦巻いているような気がする。

大妖精はそれが一番気になっていた。
 だから傘下になっている勢力を攻めて自分たちの管轄の地帯を増やして戦力を増強しようと言い出したのだ。

そう、傘下となっている妖怪連合を潰そうと言い出したのは他ならぬ大妖精だったのだ。
彼女の進言により、本隊の首脳陣に動きがあり、現在に至っていたのだ。

 「全てはチルノちゃんの為に…」
ついでに平穏の為に、と付け足す大妖精は、知的に見えたし、恐怖すら感じさせられる迫力があった。

続く

平穏「俺はついでかよ…」
平穏「ま、大ちゃんがかわいいからいいけど」
平穏「まぁボクの大ちゃんがナニカされた訳じゃなくてよかったけどねw」

テーマ : 二次創作:小説
ジャンル : 小説・文学

幻想郷大騒動~三妖精奮闘戦記~⑫

戦国史 幻想郷大騒動~三妖精奮闘戦記~⑫
第12話 

2018年9月

最強妖精団は今まで攻め立てていた八雲家と不可侵条約を締結。
当初驚いていた八雲家であるが、窮地に立つ八雲家に疑う余地はなかった。

そして締結と同時に妖精団の軍勢は転進を開始した。


八雲陣営にて
 「此度の休戦条約は、恐らく地底世界への進行の為の布石でしょうな」
酒の席にて、ラインハルトの部下であるオーベルシュタインが発言する。
 「ふむ、その根拠は?」
真面目な顔でたずねる元皇帝であるラインハルト。
 「旺気ランク第6の我々の勢力を攻めるよりは、ランク外の地底世界の住人を攻めた方が遥かに事が速くつきます」

2018年9月 世界情勢
 「この地図を…」
と、おもむろにテーブルに地図を置き、ペンを走らせる。


2018年9月 世界情勢らくがき1
 「こんな感じにするような計画でしょうな」
さらに、とオーベルシュタインは続ける。
 「恐らく妖精団は、この地底を進み逆進行から地上へと出れば博麗の巫女が守る領土へ突き当たります。あの地をまるまる占領してしまえば国力を磐石にする事ができます」

2018年9月 世界情勢らくがき2
「図にすればこのような形になるかと…」
ふむ、とうなづくラインハルト。
 「やはり卿(けい)の言うとおり、奴らの狙いはそこか…。シルヴァーベルヒ、奴らが地底世界と地底への道、そして神社周辺の土地を全て勢力化に入れたのならばどれほどの旺気を得る事になる?
 「軽く見積もって84万かと…これはもはや我が八雲家の71万を軽く凌駕しています」
シルヴァーベルヒはそう答える。

しばらく、重い空気が彼らを支配する。
ラインハルト、オーベルシュタイン、シルヴァーベルヒの他にファーレンハイト、ケンプ、ルッツという帝国時代からの家臣達がいるが、彼らは皆うつむくばかりであった。

「…もはや事態は閣下と我等だけではどうにもならない事態になっています。こう状況が変動するとなると、八雲紫殿との連携をさらに強化する必要があるかと」
オーベルシュタインは無念そうに言う。
 「分かっている。既に紫に私は膝を屈したのだからな…」
ラインハルトは無念そうに答える。


 「あの~お客さん、なんか注文してくださいよ~」
そんな重たい話をしている中、注文をとろうとしている蓬莱山 輝夜が困った顔をして尋ねていた。

ここは焼き鳥屋『藤原』。
 世間は弾幕戦争を繰り広げているが、それでも酒を求めて他陣営から来る事が絶えない憩いの場であった。

「あの黒髪の子、新しく入ったようですね」
「…そうなのか」
「ええ、なんでもNEETだったようですが、店の主人が雇ったとか…」
「…そうか…(にーと、とは一体なんだ?)」
「陛下…(陛下がこのような頼りない声を出す時は分かってない…!)」
そして、ここに、少女だらけの幻想郷になじみつつある異世界の者達がいた。


2018年11月。

地霊殿の古明地家は窮地に陥っていた。
それというのもマーガトロイド家約2万7千の侵攻を受けていたのだ。
マーガロイド家は占領下の大深底から地底世界へ侵攻し、既に旧地獄裏門北部を突破し、南部の攻略を進めていた。

2018年11月 地底世界戦況

対する古明地家側の戦力は1万にも満たぬ毛玉しか集められず、当主であるさとりの消極的な戦法や世間のトレンド的な意味も相まって決戦という事態には至っていない。
だがそれは古明地家にとってえらく気の長い滅亡でしかなく、結局弱小勢力の悲しみであった。

 しかしそんなかの勢力に更なる試練が降りかかる。
超大国最強妖精団の宣戦布告である。
 既に風前のともし火であるこの勢力を丸ごと併合してしまおうというのが最強妖精団の魂胆であり、彼らは正面戦力5万2千、後方戦力で4万の10万近くの圧倒的兵力で在住侵攻軍マーガロイド家もろとも踏み潰す勢いでその軍勢は秘密結社地下基地から一直線に地底の旧地獄裏門南部へ到達し、先客を追い出して結界を取り囲んだ。



 多くの毛玉と物資と時間を消費する事となるこの門攻略であったが、最強妖精団の保有する最終鬼畜拠点破壊兵器フランドール・スカーレットの前にレベル10の旧地獄裏門南部は陥落し、北部も瞬く間に占領、マーガロイド家に対する地底での侵攻ルートを閉ざしたのを確認すると、マーガロイド家と和平を結び、かくして『虐殺』は始まった。

 最強妖精団の参謀長官ヤン・ウェンリーは後に語る。まさにあれは血のスチームローラーであったと。



2019年8月

「なんともまぁ…すごい所へ来てしまった物だな」

地霊殿、テラス。
そこは地底世界や旧都を一望できる所となっており、そこにいうのはヤンと妖精団の構成員であった。

去年の11月に押し入り強盗のように電撃的に始まった今回の地底侵略は、もうすぐ1年を迎えようとするが、既に半分以上を占領し、圧倒的であるという事である。
 拠点攻めの時に、咲夜率いる軍勢がさとりの手勢にしてられた時もあるが、それも想定された事態の一つであり、かつ局地的な戦術的損出が起こってももはやどうしようも無いほどに国力・戦力の差がありすぎていた。

 地底方面に巨大勢力のない事を言い事に超大国による弱小勢力の侵攻…元の世界で似たような事をやられて色々な事を知っているヤンにとって、それは複雑な心境にならざるを得なかった。

 そんな一介の参謀長官を他所に、侵攻軍は幻想郷の主要住居である地霊殿を占領し、残党と化した古明地家が逃げ込んだ最深部の核融合炉心部への制圧を予定していた。

2019年8月地底世界情勢

 無論、父を核エンジンの事故で亡くした参謀長官は、幻想郷に核融合がある事を知り驚愕したのは言うまでもなかった。
 主に、機械だとか科学だとかが程遠いこの幻想郷の電力が核融合に支えられているという事実(しかし非効率という事で廃案されるとの噂)と、生身のままその融合の炉心に飛び込んだという事を聞いたらしい。

 様々なカルチャーショックを受けながら、それでも「まぁここはそう言う所らしい」という半ば思考破棄に近い逃避を展開し、精神の崩壊を防いでいた。そんな感じで彼は今、幻想郷の地下にこのような秘境ともいえる空間が実在する事などに素直に感動していた。

 「八咫烏の力によって出た熱を温泉にまわしたおかげで今では立派な温泉街になってるけどね」
だから地上の出入りがそれなりにあって珍しさ半減だわさと言わんばかりの口調で語るパチュリー。
 「うーん。僕達のいた世界は核融合技術はイコールで戦争兵器だったからなぁ…あまりイメージがしにくいね…」
ぼりぼりと頭をかくヤン。
 「それはそうと、いつもながらに思うのよね」
はぁと、パラソルがついた丸テーブルに付きながら、新聞を見ながらため息をする。
 「何に?」
 「どうして私の友人はこうも中二病臭いセリフが好きなのかしら」「そこは友人として芝居掛かったセリフっていってあげなよ」
ヤンのツッコミを入れるが、ヤン自身も、500年生きている幼い少女の行き過ぎとも取れる発言に苦笑いするしかなかった。

 事の発端は文々。新聞なるマスメディアが取材に来たところから始まり、自称清く正しい記者の『現在地底で何が起こっているか』という問いに、担当した500歳の幼い少女

実にオーソドックスな攻城戦を行ったまでだ。破城槌は5万2千の毛玉達ではあるけどね。
かくして5万と2千の破城槌最外縁結界(拠点防御力10)で守られた城壁を打ち崩され、作を破り堀を超え我々は地底へ乗り込んだ。
<何が起こっているか>古今東西、陥落寸前の城塞や国で起きている事等、たった1つでしょうに。

それは只只一方的な、虐殺


悪魔的な笑みで持って楽しそうに言った事である。

 とてもインパクのあるお言葉により、メディアの積極的な配信活動(という名の新聞の押し売り・置き売り)により瞬く間に全勢力に広まり、色々な意味で話題の渦中であった。

 「私達の恐ろしさが広まっていい事じゃない」
とケラケラと喜ぶ当主であるサニーミルク
 「つまり…どういう事だってばサ?」
フォロー役を左遷という形で失った氷の妖精は鼻をたらしてクエスチョンマークを量産させ、
「まぁ…大体あってるでござるな」
「そうですねぇ…」
と、早雲(モブキャラ)白蓮はお茶を飲みながらのほほんと答え、500歳の幼い吸血鬼の侍従長は、上記に記した笑顔で楽しそうにしているワンシーンの写真不正に購入し、なにやら息を荒くさせていたらしい。


 「もうヤダ。こんな勢力」
そう涙目まじりに言うのは囚われの身となった古明地家当主である古明地さとりであった。
 彼女は心を読む程度の能力で色々あって地底にすんでる訳だが、こんな混沌とした勢力なのだからそう言うのも分かるきもしなくはない。

そしてその月には核融合炉心部を占領し、事実上古明地家は滅び、古明地家の主な人物は全て最強妖精団の傘下として組み込まれた。
その後は地霊殿の城下街的存在である雪の旧都へ攻め込み、地底の鬼勢力をも組み込んだ。

 その次の年は、地底へと続く道である幻想風穴という地方へと攻め込んだ。
地獄方面を制する四季家との不戦条約あっての事であるが、無慈悲ともいえる大軍勢により、2020年10月には橋姫のパルスィを蹴散らし、着々とその勢力を博麗神社へと接近させていった…。

2020年10月地底世界情勢

次回へ続く

テーマ : 二次創作:小説
ジャンル : 小説・文学

幻想郷大騒動~三妖精奮闘戦記~⑪

幻想郷大騒動~三妖精奮闘戦記~⑪

第11話 

2018年4月。
異邦人互助会領 中島製作所の会議室にて

 そこには薄暗い部屋に数十人の異邦人互助会の主な士官が詰め込んでいた。
話の内容は、ある議題であった。

 「現在の戦況は?」
当主であるルージュという魔術師が話しを切り出す。
 本題に入る前に状況説明という事である。

 「現在、我々は八雲家と戦闘を続け、押されています。
 戦力差は絶望的であり、現在我が勢力が生存できているのは、拠点である夢と現の境界の多重結界により、八雲家の軍勢を抑えているに過ぎません。
 また、南には魔界神軍があり、去年までは我が勢力と敵対しており、主家である最強妖精団に従属しなければ、領土である生命科学研究所を攻め取られていたと考えられます。」
参謀役であるレオナルドと呼ばれる人物が立ち、そして次々に報告をする。

 「つまり…現在我が勢力が存在できているのは、1つの要塞と、後ろの大勢力のおかげ…という事か…」
だれともなくそんな言葉が聞こえてきた。

 「そして、その後ろの大勢力から、今度は、領内の軍の通行権ならびに我が軍の指揮権の一切をよこせ、とのことです」
レオナルドの言葉に、会議室はざわついた。

 「我が勢力の状況を考えれば、臣従もやむなし、と思われますが」
 レオナルドの発言に、そのざわめきに終止符が打たれる。
長い沈黙が続く。

 「ロイエンタール将軍にお聞きしたいが…我が勢力の全戦力で、現在夢と現の境界を取り巻く八雲家の軍勢を退ける事は可能ですか?」
ルージュが口を開く。
 「…不可能でしょう。現在境界を包囲している戦力は2万4千以上。それに対してこちらの戦力は1万を超える程度だ。
 士官の質も問題でしょう。八雲家には八雲藍や八雲紫を筆頭に、マイン・カイザーを主にした旧銀河帝国の同僚達が包囲部隊に参加しているといわれています。
 境界の内部の物資も、長くは持たないとの報告も入っております。もう一度いいますが、包囲部隊を退けることも、耐える事も不可能です。」
ロイエンタールの言葉に、その場の全員がうなだれる事となった。

 2018年、5月。
最強妖精団は競輪毛玉の拠点を一つにまで追い込んでいた。前線開拓の為、従属になっている異邦人互助会に臣従せよと通告をした。
 臣従となれば、その勢力の軍勢の指揮権を得る事ができ、石高ランキングにも影響するのである。
小勢力と化した異邦人互助会はこの通告を受理し、妖精団は支配下となった夢と現の境界拠点に取り付く八雲家の軍勢を追い払うべく、行動を起こす。

 八雲家 境界攻略陣営

 「何度言えば分かる?あのヤンに率いられた倍以上の敵に、立ち向かう行為は無謀を通り越している事を」
作戦会議室で、卓上を叩く勢いの鋭い声が響く。
金色の髪に、その場の誰よりも装飾の多い軍服に身を包んでいるのは、銀河帝国皇帝ラインハルト・フォン・ローエングラムであり、声の主もまた彼であった。

 「ラインハルト殿、これは紫様の決定です」
それを制するように、鋭い目線をする八雲藍。
 「貴方はこちらの指示通りに動いてくださればいいのです」
 「…わかった。もはや何も言うまい。戦闘が始まれば、こちらも存分にベストを尽くそう。…それで良いな?」
しばらく藍との睨み合いをしていたが、あきらめたのか、踵を返して部屋を後にした。

 「接近した後、スペルカードによる応戦の後、接近戦に持ち込む…どう思う、ファーレンハイト」
カツカツと音を立てて歩くすぐ斜め後ろには銀色の髪の黒い銀河帝国の軍服を着たアーダルベルト・フォン・ファーレンハイトが控えていた。
 「倍する戦力に取れる戦術としては悪くはないと思われますが。しかし相手はヤン提督。紫様の指揮能力からすれば敵わない相手ではないですが、いささか相手が悪いですな…。一旦後方へ下がり、攻撃のチャンスを狙いたい所です」
 「だろうな。…どうやら我が主の紫殿は、あちらが物量・質量ともに上だという事を知らぬようだ」
 「閣下。それは…」
もしそんな事が他の誰かに漏れれば、何らかの批判がでるだろう。
 「分かっておる。…全て私が悪いのだ。許せっ」
 「閣下…」
ラインハルトの配下に着く苦しみが、ファーレンハルトには手に取るようにわかった。


だが翌日。紫軍は2万におよぶ戦力で周辺にて陣を敷くも、作戦は見事に失敗した。

最強妖精団はその倍以上の5万3千にもおよぶ軍勢にて攻め込んできたのだ。

 総大将の八雲紫は、戦力の消耗を避けるべく、対峙した数分後に撤退を決意した。

かくして、異邦人互助会がどんなに戦力を集中しても勝てなかった八雲家の軍勢を小指すら使わずに撤退させる事に成功した妖精団はさらなる進撃を開始する事となる。

2018年5月 境界合戦


境界内の会議室。
 「ヤン・ウェンリー提督。お会いできて光栄です」
異邦人互助会の所有拠点であるが、半ば主家である妖精団の支配下に入った夢と現の境界の会議室に、銀河帝国の士官服を着込んだ男性がそう言ってヤンに握手を交わす。
「オスカー・フォン・ロイエンタール総長殿。こちらもお会いできて光栄です」
「私が統帥本部総長であった帝国は、この世界には既に亡くなっております。その呼び方は止してください」
ヤンの言葉に静かに微笑むとそう言って否定した。

 異邦人互助会が臣従したので、客将として一人自陣に迎える事ができたので、誰にするかと妖精団の中で話し合った訳だが、当初純粋な武力なら地竜という生命技術研究所にて発明された巨大な亀が有力視されていたが、ヤンがロイエンタールの名前を見つけ昔を思い出し、どういった昔話があるの?と妖精たちに言われたので、ありのままヤンのロイエンタールについての評価を話した為、急遽ロイエンタールが客将として迎えられることとなった。

 「ねぇあれがヤンさんを苦しめた敵の一人?」
サニーミルクがそう小声で言う。
 「いかにも敵陣営って面だね」
ルナチャイルドがそう続く。
 「能力値的には武7政7智6野統7…性能的には霊夢がオール7だから大分高性能ね」
レミリアもそれに続く。
 「あれで部下の一人って言うんだから、大将はどんな人なんだろう…」
ルナチャが思いにふける。
 「評価的に、とある王朝の三代目の跡取りとして君臨するとすれば理想的な人物とあるわね」
パチュリーは書類を手に分析するように言う。
 「なに読んでんのよ」
レミリアはたずねる。
 「ウィキペディアの印刷物」
ドヤ顔で答えるパチュリー。そんなメタ話して大丈夫か?と言いたげな顔をするレミリア。

 「…それでヤン提督、あの方達は?」
ロイエンタールは、会議室の端っこでなにやら雑談をしているサニー達が気になっていたようだった。
「僕の一応の上司と、同僚達…って事でいいかな」
ヤンは頭を掻きながら申し訳なさそうな顔と声で言う。
はぁ~とロイエンタールは深く重いため息を吐く。

どうも、彼ら銀河帝国の将兵達には、この幻想郷の深刻な男性不足から出てきてる少女臭とか、お遊び感覚での弾幕ごっこなどどうも馴染めてないようだ。
 しかもこの異変で適用されているルールでは勢力に必ず当主がいるのだが、その当主ですらいつもの遊び仲間のリーダー的な感覚しか持ってない人たちが多い。それどころか、この異変を遊びだと思っているのが普通と来ている。
今まで艦隊を率いて戦い、そして仲間でありながら後方で政治を操る者達に振り回されるような世界にいたので、どうも調子が狂って仕方が無いのだ。

 「まぁそんなこんなでよろしくお願いします~。あ、私紅美鈴です。ホン・メイリンです。
くれないみすずじゃないですよ~変換の時に已む無くくれないみすずって変換していますけど」
と、美鈴はどこにいたかは不明であるが、胸の大きさでは考えられない程の軽快な動作で一番に握手を交わすようにシャシャリ出てきた。
 「……よろしく」
 ロイエンタールは一瞬だが眉を動かすと、そのまま握手を交わす。

その後、一通りの同僚の挨拶を終えると、作戦会議が始まるが、ほんの数分で終わった。

 『待ち伏せとかそういう戦術単位でヤバイ事は気をつけて、あとは勢いで行こう』というきわめて単純な事で終わった。
なにせ敵は後方陣地にまで予備役を集中させており、急な撤退はできずに篭城を強いられる事となり、そして篭城すれば万単位の軍勢を一月持たせる程の食料はないと分かっていたのだったからだ。

2018年5月 夢と現の境界情勢


 「(なんとも幼稚な…)」
ロイエンタールは会議終了後、そんな心境であった。
まるで幼稚園の遠足でどこへ行くかを決めるかのような取り決めであり、馬鹿らしくもあった。

 「ロイエンタール将軍」
ふいに自分の名前を呼ばれ、振り返るロイエンタール。
 「レミリア…殿でしたかな」
背の高い侍女長である十六夜咲夜を従え、子供にしか見えない少女が自信ありげな表情で立っている。
 「会議中随分とお暇だったようだから、声をかけてみたが…やはりここでは調子が狂うという事かな?」
レミリアはそんな事を言ってロイエンタールに近づく。
 「無理も無い…ここは幻想郷の中で最もまとまりのない勢力なのだから」
レミリアはそう言うと、ピタリとロイエンタールの目の前で立ち止まる。
 「…何か?」
どうもレミリアの視線が、奇妙な枝をした巨木を見るような幼い子供のような目だったので、そう尋ねた。



 「貴殿は昔、女性関係で酷い目にあったかな?」
 「」
一瞬、呼吸が止まる。

 「ああ、すまない。貴殿の眼には闇が見える。そして女性を見た時の目はさらに深くなった…。と思ったのだが、思い違いかな?」
レミリアはその一瞬を見逃さずに、ニヤリと悪魔的な笑みを零してスラスラと言葉を並べる。
 「…」
ロイエンタールは何とも言えない顔で金銀妖瞳の瞳でレミリアを見つめる。

 レミリア・スカーレットなる少女は齢500を超える吸血鬼と聞いたが、なるほど、確かにこれは悪魔だ。
静かにだが、レミリアの幼児特有の笑みにも似たその悪魔の微笑みを見つめてロイエンタールはそう考えていた。
 「どうやら貴殿の闇は思っていたより深いようだな」
レミリアはふふんと笑うことを一区切りつけると、改めてニヤリと微笑む。

 「すまなかった。どうもウチの部下の くれないみすず がシャシャリ出た時の顔が妙に印象深くてな」
こちらの笑みはなんとも素直そうな純粋な笑みで、同時に済まなそうな顔をしていた。
 「私のことはお嬢さんとでも言って欲しい。まぁ今宵は貴殿の歓迎会だ。そう機嫌を悪くしないで欲しい」
すると彼女はそう言いながら、許しを請うような顔をして言う。
 「…」
しばらく気を張っていたロイエンタールだったが、レミリアのそんな表情を見てどうやら踏ん切りがついたように「ふ」と笑みを浮かべる。
 「わかりました。今宵はどうやら酔って寝るしかなさそうですな」
そう言ったロイエンタールは、どこか晴れ晴れとした表情であった。

 「ところでレミリア・フロイライン」
 「どうした?」
 「フロイラインの侍女長の具合がよろしくなさそうなのだが…」
 「べ、別に大丈夫ですわ。お気になさらず(わ、私ったら第三者がいるのにも関わらずお嬢様のかわいい姿に思わず鼻血が出そうに…ああ、でも許しを請うようなあの顔…嗚呼…タマンネ)
 「ふっ、お気になさらず。このメイド長はいつもこんな感じですから」
にこやかに答えるレミリア。
 レミリアはロイエンタールに宴会場までの案内をしようとするが、そのときに背中の羽がパタパタと動かしているのを見て、盛大に鼻血をぶちまけたのは秘密である。

 ちなみに、ロイエンタールは右目が黒で左目が青色の金銀妖瞳であるが、これはロイエンタールの母が浮気をしてしまったので愛人がバレるという事で殺されかけるという辛い過去があり、その後結局母は自殺。父親には詰られて育ったため、女性に強い不信感を抱いている。
だが一般的には女癖が悪い漁色家(ぎょしょくか)として知られているが、これは女性側がロイエンタールの美形に釣られて一方的に迫られて、関係を持っては捨てる事を繰り返している訳である。
 なお、ヤンの部下でも女癖が悪い漁色家が二名ほどいるが、そちらはいわゆるナンパで引っ掛ける手口で、その際にはお互い遊びと割り切って関係を結んでいるので注意。

「…と、ウィキペディアから貼り付けてる間に、さっさと止血なさい」
 「うう…ごめんな・・・ごふっ!」
 「ちょ咲夜さん!それ以上思い出さないでください!大量出血で死んじゃいますよ!」
パチュリーはやれやれだわ…と呟き、咲夜は自分の血液で池を作り、それを紅美鈴が止血する為にわたわたとしている。これが大体の流れであった。


そして2018年9月
夢と現の境界地域の八雲軍は完全に撤退し、戦場を夢と幻の境界地域へと移していた。
 いや、既に戦場と呼ぶには一方的な戦いであった。
北からは岡崎家アルビオン王国へ従属した西行寺家と西行妖に攻められ、南から尋常でない速度で進撃を続ける風見家が迫っている。

2018年9月 世界情勢


このまま続ければ、紫家を併合することも可能であったが、最強妖精団上層部には別の思惑があった。
その思惑とは…?


続く

テーマ : 二次創作:小説
ジャンル : 小説・文学

幻想郷大騒動~三妖精奮闘戦記~⑩

戦国史 幻想郷大騒動~三妖精奮闘戦記~⑩
第10話 がんばってみます。

2017年3月。

凸凹の荒野会戦において勝利を収めた妖精団は、順調にその版図を人と魔の境界前線に食い込ませていっていた。

 だが、上層部は貪欲に領土を求め、さらなる領土獲得を胸に、異邦人互助会へ宣戦布告。

正直、人と魔の境界前線において、現時点で新たな前線に回す余裕などなかった。


 新たな前線に配備されるは9千4百のあまりの部隊だけで、その程度の戦力で押しつぶせる勢力でもなかった。
 だが、相手は宣戦布告と同時に降伏の表明を出した。

これは、すでに八雲家、魔界神軍により領土を削られているのが理由らしく、もはや勝ち目がない為に従属を選んだと思われる。

 ヤンは新たな前線ができなくてほっとしてたし、パチュリーも無駄な浪費を抑えられて撫で下ろし、サニー達は無条件に喜んでいた。

2017年12月 世界情勢2
↑大体こんな感じ

2017年12月。

 妖精団の軍勢は、人と魔の境界の最南に位置する拠点、養蜂の里(ほうようのさと)にまで迫っていた。
 だが、ナーズリンの奇策により、養蜂の里攻略の先鋒隊に打撃を与え、先鋒隊は退却してしまった。
 
 思わぬ反撃により、緊急会議が開かれる事となった。

 
 命蓮寺

 「うーん…丁度、『人里の外れ地方』の『人と魔の境界という拠点』に立て籠もってた部隊が、本隊に合流した感じだから、間が悪いわね…」
そう悩むのはサニーミルク。
 「あれ?そういやスターサファイアは?なんかいないんだけど…」
いつもの相方と呼べる存在が不在だと感じて、ルナチャイルドはそう言う。
 「えっと、スターさんは、大妖精さんと一緒に、新設した『余りモノ軍団』に編入されちゃいましたが…」
そんな彼女に、資料片手に言うのが小悪魔、主に似てかスタイル抜群の美貌でもって答える。
 
 「…え?」
彼女が言った言葉は、衝撃的な発言であった。
 確かに、なんか最近使っていない武力1の下級妖精や毛玉0や前線の関係で戦闘配置されていない武将たちをまとめるべく立ち上げた軍団があるのは知っていたが、まさか団の幹部(言い換えれば理性ともいえる存在)を編入するとは…。

 この団、名前からして左遷である。右遷かも知れないけど。

 「大丈夫なの…?スターはとりあえず、大妖精ちゃんあたりは優秀な内政官(内政値6)だよ?」
 「性能なら私の方が上ですっ」(小悪魔 内政値7)
 「え…あ、でも、スターだって野戦任せたらそこそこいいのよ?野戦値6だし…」
 「野戦ならヤンさん(10)や白蓮(9)に咲夜さん(8)など、ついでに野戦値6ならパチュリー様も同様ですっっ!」
力説を続ける小悪魔。だんだん力がこもっていく。

 「メタ話してるんじゃないわよ」
と、そこに小悪魔の後ろから分厚い辞書で小悪魔の後頭部をたたく。

メタ話禁止


 「うごふっ!」
押しつぶした牛ような悲鳴を上げる。
 「い、痛いですぅ~!」
瞬時に魔法で白い十字型の絆創膏を頭に装着させ、なみだ目で小悪魔は主の方を見る。

 「はぁ…まぁ、でも、この子が言ったのは大体あってるわ…
 彼女たちは向こうで余りモノ軍団の幹部として働いてもらってるわ。
 左遷って事になるかもしれないけど、あっちであっちはいないと困るから…」
パチュリーはやや暴走気味の使い魔にため息をつくと、説明を続けた。
 「えーと…でもなんかこっちはこっちで暴走してますが…」
と、栗みたいな口をして、ルナチャイルドは長いテーブルの勢力長が座る場所を指差す。
 「?」
パチュリーはその指の方向を向く。

 「あたいったら最強ね!」
 「ぬぬぬ!小娘の癖にぃ!ふんぬうぅぅ!集えぇ!我が百五十人の円卓の騎士達よぉぉぉぉ!」
 「あ、メイドさん、こっちシーフードパスタおねがいね」
 「あたしもそれにするんだぜ、よろしくたのむよ」

そこには、骸骨剣士的な姿の済王を名乗る骸骨剣士と、チルノがいい勝負をしていて、その横ではハルミトンと名乗る艦長と、ちゆりと名乗る赤いセーラー服を着た少女が咲夜に注文している摩訶不思議な風景だった。

 「…」
そんな光景を駄目だ・・・こいつらなんとかしないと…な表情で見つめていた。

 「で、話戻していい?」
何事もなかったかのように話を戻そうとするサニー。
 「え、あ、うん。…いいんじゃないかな」
ルナチャイルドがどもりながら言う。
 「私としてはさぁ、もうここら辺で風見家との戦いはお開きにしたいと思ってるのよ」
サニーは会議用のテーブルにおかれている自分のアイスクリームの乗ったメロンソーダを飲みながら言う。
 「妖精の貴方にしては随分と建設的な意見じゃない」
と、レミリアが上から目線で言う。
 「まぁ、パチュリーさんからの助言でね、ホラ宣戦布告と同時に降参した異邦人互助会って所あるでしょ?
 あそこがある『夢と現の境界』っていう地方の土地を手に入れろって感じの事を、パチュリーさんが言ってて…」
と、言って地図に指差して言う。

2017年12月 世界情勢3


おのおの方が場所を確認すると、パチュリーはこほんと咳払いをして答える。

 「私の観測データによると、マヨヒガ西行妖の丘の境界地点である『銀河高原』という地方にて、
 近年、現在マヨヒガに存在している小さい紫…いわゆる白紫と同じ波動をキャッチし続けているわ。
 これは恐らく推定だけど…ぷち紫の出現する予兆だと思うわ
彼女は地図に指を指して研究結果を伝える。

2017年12月 世界情勢1



 「な、なんだってー!」
サニーとルナチャイルド、そして小悪魔は驚いた。三人とも同時に発言するほど、大変驚いた。

 「まぁ、ここからじゃ具体的には分からないけど…大体出現まで5年は猶予はあるんじゃないかしら?
 ぷち紫…いわゆる黒紫は、完全体の八雲紫の遊び心満載の凶悪な心の具現化と言われているわ。
 出現時には超強力な軍勢を引き連れて来るのが目に見えてるわ。 
私たちは今から五年以内に物量・質量共に凶悪チートであるぷち紫の猛攻に耐えうる軍団を作り上げねばならないわ…」

パチュリーは深刻そうな声でいうが、表情はいつもと変わらない表情であった。

 「ま、要はここまで話持ってきて『全面降伏で幻想郷は暗黒の時代を迎える…おしまい』にならないように頑張りやがれ。
 という事よ。」
いまいちよく分かっていない表情をしているサニー、ルナチャイルドに分かりやすく伝えなおすパチュリー。

 「つまり…あそこの土地を取るって事は、そのぷち紫の決戦の為の舞台作りなの?」
 「ええ、そうね。あそこまで敵が来る頃には有力な勢力の抵抗はゼロに近くなっていると予想できるから…」
パチュリーはそう静かに語る。

 「えっと、それとさっきから気になってるんだけど…」
ルナチャイルドが再び口を開く。
 「何かしら?」
パチュリーがぶっきらぼうに答える。
 「肝心のヤンさんがいないようですが…」
 「ヤン提督は、部隊の再編成をしているので、今日は出席していません」
そういうのはヤンの副官であるパトリチェフ。
 「今言った『戦場は銀河高原』関連の情報は前々から教えてるから、まぁいいかな。と」
 「そ、そんな…」
小悪魔は大変悲しそうな声と表情をする。

 「え、ちょっとまって。その『戦場は銀河高原』うんぬんの情報は今私始めて知ったわよ?」
立場上、妖精団のボスであるサニーはそう戸惑いながら言う。
 「まだ情報としては不確かな事だし。こういうのは優れた戦術・戦略眼を持つ方々が先に知っていた方がいいでしょう?」
 「えー…それじゃ私たちが戦術・戦略眼を持っていないみたいじゃないですか」
その言葉を聴いたルナチャイルドは口を栗のようにして反論をする。が、その後に小声で「まぁ確かに私たちはヤンさんみたいに優れてないけど」と付け足した。
 
 「ま。そんなこんなで私たちは風見家と講和して夢と現の境界地方へ進軍するわ…いいわね?」
パチュリーが言うと、サニー、ルナチャイルド、小悪魔にパトリチェフは頷く。

 「楽しくなりそうね…」
と、レミリアだけはそうつぶやいた。
 そのカリスマ性あふれる姿は、どうやら『優れた戦術・戦略眼を持つ方々』に入っていたらしかった。




 「…さっきからずっと黙っていたけど、本当に良かったの?風見家には貴方の部下達がいるんでしょう?」

大多数から見れば宴とも言える調整員に欠ける会議が終わった後、各々が持ち場へ戻るといういわば解散という形になった時、サニーは言う。

彼女の目の前には命蓮寺の教祖、聖 白蓮がいる。

 「…私だけの意見で、どうにかなるという事ではないのでしょう?…ならば、私は貴方の方針に従います。それがこの異変を終わらせる事になるのですから…」
彼女は静かに言う。

 「んー…そう期待されても困ります…私は妖精で、貴方様のように優れた能力は持っていないので…」
 「そんな事ありません。貴方はこの団をここまで大きくさせた力があります。貴方ならきっとこの異変を解決できると思いますよ?」
サニーは敬語で話すが、そんなの気にしなくていいのよといわんばかりの笑顔で話す。

 「そうなのかなー…うん。でも、がんばってみます。異変解決して、聖さんが部下の人たちと一緒に居られるように」
 「ありがとう。その気持ちが大事なのですよ」

その言葉を聞き、ぺこりとお辞儀をする聖。
 「あ、うん…なんか…頭下げられると困るっ」
焦りながらサニーは戸惑う。




 「と、まぁそんな感じで、僕達は手始めに異邦人互助会の北にある競輪毛玉を制圧させる事になったんだね」
 紅魔湖の坤という地点にて、ヤンがそう言った。

2017年12月 紅魔湖西岸域
2017年12月 夢と現の境界情勢


 「そういう事ね。もうすぐ淡海の街に駐留している攻略隊が出撃して、制圧が始まるわ」
パチュリーが体育座りで、分厚い本を広げてそう答える。
 「小さい勢力を押しつぶすのは、あまりいい気分にはなれないなぁ…」
 「相手が悪いのよ。どこにも従属しない相手が悪いのよ」
 「それは…まぁそうだけどね」
と、ヤンは紅茶に口をつけた。
 
 「貴方…その体勢つらくない?」
 「うん…少し、つらい」
ヤンはそう答える。

 彼は水面に足をギリギリ浮かせた状態で紅茶を手にしているのである。
 なんと信じられない事に、ヤンは水面に立っている事になる。

 「一応浮いてるのは分かるけど…それ長くは持たないでしょ?」
 「…水面拠点は苦手だなぁ…」
そういいながら、駆け寄ってくる小悪魔の肩を借りて陸地へと向かう。


 2017年12月
 最強妖精団は、風見家と講和し、競輪毛玉へ宣戦布告を表明した。
 競輪毛玉は、射命丸家との戦いの真っ最中であったが、劣勢であった。

 そこに暫定1位の巨大勢力である妖精団に攻められてはもはや命運尽きたと言えていた。

続く。

テーマ : 自作小説(二次創作)
ジャンル : 小説・文学

タイトル
2011年2月16日導入
プロフィール

テト式

Author:テト式
24歳。がくせ…介護職員です。
東方厨だと思ったら艦これに裏切ったけど小鈴ちゃんが可愛いから那珂ちゃんのアイドルやめます。
艦これはやってません(迫真

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